ベランダへ通じるガラス戸の上部に蜘蛛が巣を作って店開きしていた。風に巻き上げられて引っ掛かった木の葉などにもめげず、長いこと営業していた。私はそれを知りつつ掃除の折も見なかったことにして放置した。巣はゴミにまみれ、修理を重ねて形もいびつになっていた。
昨日思い切って蜘蛛の巣を取り払った。ガラス戸は綺麗になった。夜来の雨、庭は湿り気をおびて今日は春らしい朝となった。
ガラス戸の上部は・・・あれ?前よりも綺麗な蜘蛛の巣がかかってる。小さな水玉が掛かり、逆光の太陽を使って見事な芸術になっている。
ははぁ、蜘蛛は私より働き者だな、と思った。あの姿を見習わなければ、とも思った。