2012年11月25日日曜日

野鳥食堂 追伸

昨日ヤマガラの餌付けを試みて意外に簡単に成功した。さて本日は考えようによってはすごいことが起きたので皆さんに報告申し上げる。

朝食前に野鳥食堂に餌を持っていった。東隣のSさんがしばらく留守で、いつもの餌がないせいか、お客たちは間もなく我が野鳥食堂にやってきた。家に入り、朝食を済ませて電気受像機(テレビ)を見ていたら居間の硝子戸の前で瞬間だがヤマガラが空中停止して去っていった。どうやら室内にいる私を外から認めたらしいのである。硝子戸を開けて手のひらにひまわりの種を乗せて差し出すとすぐにヤマガラがやってきて私の指先に留まり、ひまわりの種を咥えて方向転換、そして去っていった。

驚いたことに車庫で草むしりの段取りをしていたら、車庫の中まで入ってきて近くにとまり、私を見始めた。こうなるといよいよ可愛いさがつのる。急いでひまわりの種を手のひらに乗せて差し出す。向こうの警戒心はかなり薄らぎ、すぐに私の指先にとまるようになった。しまいには私が作業しているところまで来て羽音と囀(さえず)りで餌をねだるようになった。

庭の南側で草をむしっていたら、西隣のSさんご夫妻が散歩で通りかかり、立ち話をした。それによるとかのヤマガラは今朝からお隣にも行って餌を催促しているらしい。何のことはない、私を認識して餌をねだっているのではない。誰でもいい、人は餌をくれるものだ、との学習を彼らはしたのだ。見方によれば、彼らは人間をうまく躾けて餌を差し出すように教育したとも言えるではないか・・・。

※動画は野鳥食堂の常連ヤマガラくん。

 
 


2012年11月24日土曜日

野鳥食堂

気がつけば9月以来一度たりとも新しい記事を書いていない。欧州から帰国したのが10月5日。雑事に追われて、などと言うことはない。自分を追い込まないようにしていた。この間、恒例の庭の雑草抜きをした。西隣のSさんが私の留守に繁りゆく雑草を見かねて刈払い機で一度ならず綺麗にしてくれたらしい。それでも夏草の勢いはすざましいものであった。ただ刈るだけでは根が残り来春には早々に彼らの天国となるは必定である。これがまだ終わっていない。目のかたきにしているタケニグザはうっかり抜くと地下茎が残りやすいのでシャベルで掘り起こしながら抜いている。どうも昨冬ストーブの灰を撒いたところはこれが生えていない。だからタケニグサが密生して生えたところは徹底して木灰を撒いた。

他に車庫の補強をやった。昨年日本を留守にしている間車庫を増築した。母屋の屋根を延長した意匠計画(デザイン)で、勝手口から直接車庫に出られるようにしたのだが、如何せん依頼した業者が毛のない素人みたいな人たちで、いっちょ前は口先だけという有様だった。昨冬の雪には耐えたが、よく見るとわずかながら骨組みにたわみが出ている。本物の大工さんに頼む金は無い。しかたがないので自分で材木を買ってきて補強したのである。ついでに「ゲストハウス」を建てた。もちろん本物ではない。野鳥用の餌場としてこれを作り、元から生えていたリョウブの木々の間に挟んで固定したのだ。

ぼちぼち「お客」は来る。パンくず、刻んだ柿、挽いた玄米などを置いたが、いまいち入りが悪い。東隣のやはりSさんのお宅ではベランダに絶えずひまわりの種が置いてある。野鳥はこれに群がっている。私も奮発してひまわりの種を買って来、「ゲストハウス」に置いた。ものの1時間もしないうちに野鳥が来るようになった。おもなお客はヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラである。

野鳥などはまったくわからない。この辺ではキジが頻繁に出没する。アカゲラやコゲラはキツツキで、文字通り木を突っつく派手な音でそれと知れる。鳴き声だけではあるがトラツグミ〈鵺・・・ヌエ)、ウグイスも春先から来るがその姿を見たことはない。フクロウなどは声も姿も見た(冬の日常 2 http://michioscud.blogspot.jp/2012/01/blog-post_16.html参照)。その他諸々いるにはいるが私はこれに疎い。昨年アイルランド在住の友人「ひできす」が来て胸に黒いネクタイをしているのがシジュウカラで、白黒茶の三色柄がヤマガラだと教えてくれた。ゴジュウカラは電子頭脳情報網で調べた。

ヤマガラは人懐っこいらしい。私が「ゲストハウス」に近づいても平気で餌を漁っている。スコットランドでコマドリを手に載せたようにやってみようと思った。手のひらにひまわりの種を置き、動かさずに待つと程なくヤマガラが近くまで来て私を観察している。小首を傾げたり留まる枝を変えたりしながらそれでも私から視線を外さない。なおも手を動かさずにいると指先にとまってひまわりの種を持っていった。繰り返すごとに警戒心がなくなっていくのがわかる。スズメと同じくらいの大きさで、口ばしは黒く細い。目にまるで邪心がない。(もっとも、動物で邪心があるのはたった一種類しか思い浮かばないが・・・)

寒くなったので家に入り、来客用の寝室のカーテンを閉めようとしたら何と窓の外にヤマガラが来て一瞬の空中停止(ホバリング)を見せて去っていった。窓ガラスの内側にいる私の姿を認識したようで驚いた。窓を少し開けて手のひらにひまわりの種をおいて差し出したら間を置かずにヤマガラがやって来て私の指先にとまり、これを啄んだ。何と愛おしい命であることか。明日が待ち遠しい。

写真は車庫の端材でつくったゲストハウス「野鳥食堂」です。画面右側の木の枝の上にいるのがシジュウカラで、その下にいるのがヤマガラです。右下、木の向こうに「母屋」写ってます^^;