2012年5月3日木曜日

確定された予言

地球の大きさはその誕生以来変わっていない。しかし、産業革命を機に人間の数は爆発的に増えた。この糊口をしのぐために陸上ではとてつもなく広い土地が必要になり、海では発動機を駆使して地の果て、深海の底までを魚をとるために網を打つこととなった。

人間がいなければ無かったはずの、無数の「不自然なもの」が大量に生み出され、廃棄され、やがてその質と量が地球の浄化作用の限度を越えた。

地上のあらゆる生き物の母なる地球が人類が垂れ流す毒に蝕まれてて重篤な病になった。

子供の頃読んだ本で、人類が他の惑星に移住できるようになるにはあと一万年かかるとあった。幸い地球のすぐ外側の軌道を回っている火星は、その大きさや質が地球にかなり近いらしい。距離もわずか(?)80000000キロメートル、光なら片道ほんの数分(時期によって地球との距離が変わるので平均値)、人類のいま持っているロケットなら片道わずか(?)六ヶ月でいける。しかし、火星全体に酸素と水を行き渡らせるには最新の技術を駆使しても一万年かかる。

天才と言われる宇宙物理学者ホーキング博士は計算で宇宙に人類と同等、もしくはそれ以上の知能を持つ生物が存在する星の数を計算した(そんなことができるのか@@)。何万個とあるらしい。では、なぜ人類との遭遇はないのか?ある講演会での質問に答えて彼はこう言ったそうな。

「文明というものはある段階に達すると自滅する」

人類だけがその例外となり得る、との保証はまったくといっていいほど楽観的すぎる。核の問題(技術、それとそれを取り扱う人の質の問題)、資源の問題、汚染の問題、人口の問題。これらの問題の根底にあるものは私達個々の心にある欲である。欲そのものは問題ではない。その制御が問題なのだ。

資本主義の欠点は明確であるにも拘わらず、人類はより良い主義や制度を考えだそうとしない。いや、人間の我欲が資本主義に活力を与え続ける。一人ひとりの我欲は小さくても、それが70億も集まれば地球はもたない。地上には数えきれない程の数の「生物種」が存在するが、その中で唯一人類だけがこの生態系全体を破壊する。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず。ただ春の夜の夢のごとし。たけき者もつひには滅びぬ。ひとへに風の前の塵に同じ。

一度生まれてきたものは皆いつかは死ぬ。「種」についても毎年かなりの数のものが絶滅し、あるいは絶滅の危機に瀕している。人類だけがその例外となりえるだろうか。平家物語を待つまでもなく、亡(ほろ)ぶぞ、亡ぶぞとの警告を聞きながら、ほーら亡んだ、と言うことになりそうである。誰のせいでもない、私達ひとり一人の心に巣食う利己心が人類を滅ぼすのだ。滅亡に至る原因も、それを避ける方法もわかっていながら私たちは他の種を巻き添えにしながら亡びへの道を歩んでいるのだ。

人類という種の業の深さよ・・・・

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